──あなたは信じてくれるかな?不思議で、愛しくて、切なくて、大切な、 楽しいだけじゃ語れない、私達の物語── Turkeyターキー……ボウリング用語で、3回連続でストライクを取ること。 一刻館高校ボウリング部の部長、高校2年生の麻衣は、試合に勝てない天才。 Turkeyを取ると、なぜかそのあと必ず、難攻不落のスプリット、スネークアイを出してしまう。 そんな麻衣に、唯一の1年生部員、利奈が言った。「わざとでしょ」 「部長は勝つことから逃げてる。私は勝ちたい。勝つ気がないなら退部する」── これは、麻衣、利奈、さゆり、希、七瀬…… 5人の一刻館高校ボウリング部員たちが、負けて戦い、負けて戦い、 そして勝つまでの、夏の終わりの物語。
俺はトガシ。 生まれつき足が速く、「友達」も「居場所」も手に入れてきたトガシと、 辛い現実を忘れるため、ただがむしゃらに走っていた転校生の小宮。 トガシは、そんな小宮に速く走る方法を教え、放課後2 人で練習を重ねる。 打ち込むものを見つけ、貪欲に記録を追うようになる小宮。 次第に2人は100m走を通して、ライバルとも親友ともいえる関係になっていった。 数年後、天才ランナーとして名を馳せるも、勝ち続けなければいけない恐怖に怯えるトガシの前に トップランナーの一人となった小宮が現れる――。