鎌倉幕府と京を拠点とする朝廷との対立が水面下に深まり、混沌と戦乱が世の中を支配していた鎌倉時代末期。幕府側に仕える稀代の陰陽師・有匡と、金毛紅眼の猫の姿と人間の姿を併せ持つ妖・火月が織りなす幻妖譚。 京を拠点とする朝廷と鎌倉幕府の対立が水面下に深まり、混沌と戦乱が世の中を支配していた鎌倉時代末期。執権・北条高時の『影』が、黒衣に身を包み、金毛紅眼の野猫を連れた謎の人物に襲われた。翌朝、有匡は高時邸に呼ばれ詰問を受ける。『影』が襲われた現場に落ちていたのは有匡の扇であった。元より狐の子として畏怖されてきた有匡は謹慎を命じられるが、それは鎌倉幕府を陥れるための朝廷側の恐るべき陰謀だった。
高校生の志乃原和也と工藤秋彦は親友同士。しかし、和也が超人気アイドル歌手になってからは、一緒に過ごせる時間が少なくなっていた。そんな時、和也は悪徳芸能プロダクションの手先に襲われ、秋彦と共に連れ去られてしまう。社長の狙いは、美しい和也を自分のものにすることだった。秋彦は和也に約束する――「お前は俺が守ってやる!」